待ってたんだ~この時を!!
この制服を着る時を、ね。
あ、布団からなかなか出なかったじゃないか、とかそういう突っ込みはナシね。
洗面所に行き、温かいお湯で洗顔して、髪の毛をとかす。
で、部屋に戻って早速袖を通す。
記念すべき瞬間!!なんたって、初・高校の制服を着る瞬間なんだからね。
白の、糊のきいた丸襟のブラウス。
紺のセーター。
深緑のブレザーに、赤のチェックのスカート。
私の通う天紋川学園高校、略してテンカワでは学年ごとにリボンの色が違う。
私は一年なんで、赤。
リボンを結んで完成。
う~ん、我ながら、……まあまあ、かな?
クローゼットの扉の裏に張られた全身を映せる鏡の前でくるりと一回転してみる。
プリーツスカートがフワリと浮かぶ。
うん、可愛い。……制服はね。
けどなんか足りないな。……何だろう?
うーんと唸り、「あ!」気付いた。
「いけないいけないっ、靴下!!」
忘れるトコだった!!
校章の刺繍が入った紺のハイソックス。
私立ってこういうトコからもお金取るんだね。
はい、今度こそ、完成!!
「は~、私も今日から高校生なんだねぇ」
制服姿の自分を見たらそれを実感したよ。
……ナルシストじゃないからね。自分見てるけど!!
誰にか分からないけど訂正してしまう私。
一人あたふたしていたら。
「あ」
お腹が鳴った。
我に帰り、枕元に置かれた時計を見る。
「……、しょーがないか。いつもは朝練あるからもう食べてるし」
腹時計に狂いはないのを確かめて、一人で笑った。
「じゃ、行きますか」
必要なものは夕べ鞄に詰めたので、アラームに使った携帯だけ入れる。
階段を降りたらお腹に嬉しい美味しそうな匂いと、お母さんとおじいちゃまの会話が聞こえてきた。

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